
こんにちは✨フクです
はじめに
本日ご紹介する絵本は「ぼく モグラ キツネ 馬」です。
何気ない時間の中で、ふと立ち止まりたくなるときがあります。
何かに追われているように過ぎていく時間。似たようなルーティーンの毎日。
そんなときに出会った一冊が、チャーリー・マッケジーの『ぼく モグラ キツネ 馬』でした。
疲れた心に、小さな光を
この本は、ただ読むのではなく、「感じる」本。
今、癒しがほしい人、自分を見つめ直したい人、誰かにやさしさを届けたい人へ——
そんなあなたにこそ、そっと差し出したくなるような物語です✨
作 | チャーリー・マッケジー |
訳 | 川村元気 |
出版社 | 飛鳥新社 |
出版年 | 2021年 |
登場人物たちが映す“わたし”の姿
この物語には、4つのキャラクターが登場します。
少年のぼく。小さくて元気なモグラ。罠にかかったキツネ。大きくて美しい馬。
ぼく:素直に問い、学び続ける存在。純粋な視点で世界を見つめる存在です。
モグラ:ケーキが大好きで、無邪気でかわいらしいけれど、実はとても哲学的。
喜びを大切にする心を象徴しているかのようです。
キツネ:初めは無口で心を閉ざしています。まるで、過去に傷ついた経験のある人のようです。
でも、静かに信頼を築いていく姿は、とても強く、優しさも感じます。
馬:どんなときも穏やかで、包み込むような言葉をくれます。まるで人生の先輩のような存在です。
読みはじめは、それぞれのキャラクターを素敵だなぁとか、可愛いなぁなんて見ているのですが、
読み進めるうちに、どのキャラクターにも自然と自分を重ねていることに気が付きます。
“わたしの中の誰か” ・・・そんな風に感じられてくるのです。
胸に残った言葉たち
特に私の心に残っているのは、ぼくの問いに対する馬の言葉です。
ぼく「今までにあなたが言った中で一番勇敢な言葉は?」
馬「たすけて。」
このやりとりを読んだとき、私はある苦しかった時期に、助けを求めることができた時のこと、
そしてその声に応えてくれた仲間たちのことを思い出しました。
弱さを見せることは、恥ではなく、信じる力、そして強さなのだと、この本は教えてくれます。
また、モグラの言葉も印象的でした。
「ケーキよりいいものを見つけた」
「ギューっとしてもらう。その方が長持ちする」
このセリフを読んで、私は子どもとの時間を思い出しました。
抱きしめることで伝わる安心感。言葉にできない満たされていく感覚。
それはきっと、ケーキより甘くて、とってもあたたかい。
なぜ多くの人にこの本は愛されているのか
絵本「ぼく モグラ キツネ 馬」は40言語以上に翻訳され、世界中で読まれています。
2023年にはアニメ映画化され、米アカデミー賞(最優秀短編アニメ映画賞)を受賞し、絵本の優しさとメッセージが、映像になってさらに多くの人の心に届きました。
この絵本がこれほどまでに多くの人に支持されるのは、理由があります。
- シンプルでやさしい言葉の中に、人生の本質が詰まっていること
- 手描きのイラストと文字から感じる、温もりと人間らしさ
- 読む人の心に、そっと寄り添ってくれる優しさ
- 読むたびに新しい気づきがあること
それぞれのページが、まるで自分の心にそっと語りかけてくるようです。
日本語版についてあれこれ
日本語版の翻訳を担当したのは、川村元気さんです。
川村さんは、数々のヒット映画を手がける映画プロデューサーとして広く知られています。
加えて、小説家・絵本作家・翻訳家としても活躍し、マルチな才能を持つクリエイターです。
主なプロデュース作品は『君の名は。』(新海誠監督)、『告白』(中島哲也監督)。
自身の小説は、ベストセラーとなり映画化もされた代表作『世界から猫が消えたなら』(2012年)。
本作は、川村さんにとって初の翻訳書です。
彼はインタビューで、「言葉が持つ“間”や“呼吸”をそのまま日本語に再現することに最もこだわった」と語っています。登場人物ごとの言葉遣い、ひらがなと漢字のバランス、ページごとの余白など、翻訳以上の“再創造”を感じさせる丁寧な仕事が話題になりました。
川村元気さんの作品には、「読んだ(観た)人の心に委ねる」姿勢が一貫しています。
『ぼく モグラ キツネ 馬』もまた、読者の心にやさしく触れ、そっと背中を押してくれるような1冊です。
あなたに伝えたいこと
もし今、心が少し疲れているなら
この本を読んでみてください。
きっと、誰かのようでいて、あなた自身のような4人のキャラクターたちが、
やさしい言葉で、心をふっと軽くしてくれるはずです。
そして、この本は「誰かにプレゼントしたくなる本」でもあります。
大切な人に、「あなたのことを想っています」という気持ちをそっと込めて。
まとめ:小さな灯りが心にともる
最後にもう一度。モグラの言葉を贈ります。
「ギューっとしてもらう。その方が長持ちする」
この本は、そんな「ギュー」を言葉でくれる本です。
今日は、絵本「ぼく モグラ キツネ 馬」を紹介しました。
今、私がこの絵本に対して感じている想い、これが1ヶ月後1年後には違ったものとなっていると思います。それは私自身の経験や成長によって見える世界が変わってくるからだと思います。
何度も読み返し楽しめる絵本、本当におすすめの一冊です。

最後まで読んでくれてありがとう✨
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