こんにちは🌿フクです。
本記事では【心温まる力強く美しいクリスマス絵本】をテーマに、年間400冊以上の絵本を読み聞かせしている絵本大好きフクさんが、おすすめの絵本を選んで紹介しています。
明日ちょっと周りに自慢できる学びポイントもあります。ぜひ、最後まで読んでください。
読み聞かせにかかる目安時間も記載しています。忙しい親御さんの参考になると嬉しいです。対象年齢はあくまでも目安です。お子様の成長に合わせてお選びくださいね。
まほうのよるに はじめてサンタのそりをひいたトナカイのおはなし
作 | マット・タバレス |
訳 | 前沢 明枝 |
出版社 | 世界文化社 |
出版年 | 2023年 |
5さい〜大人まで
読み聞かせ時間の目安🕰️10分
あらすじ
みなさんは、トナカイがサンタのそりをひいているのを知っていますか?
じつは、ずっとむかしはシルバーベルという名前の馬が、たった一頭でそりをひいていました。ところが、年をおうごとに、クリスマスのまほうをしんじる子どもがふえて、そりにのせるおもちゃもふえていきました。そりがだんだん重くなっていくので、サンタは心配でした。いつまでも、年おいたシルバーベルに、たよっていいんだろうか。
いまからはなすのは、ちょうどそんなころのおはなしです。どこにでもいるような、ふつうのトナカイの家族が、シルバーベルに代わってサンタのそりをひき、クリスマス・イブに世界じゅうの空をかけめぐるようになるまでの物語。
それは、ダッシャーという名の、一頭のトナカイから始まります。
物語はこうして、はじまります。
アメリカの動物サーカスにいたトナカイのダッシャーは、故郷の北極星に憧れを抱いていました。ある夜、囲いが開いているのを見つけたダッシャーは、北極星を目指して飛び出します。途中、サンタクロースが子供たちへのプレゼント運びに苦労しているのを見て、手伝いを申し出ます。その後、サンタクロースはダッシャーの願いを叶え、ダッシャーの家族を故郷の北極星が見える場所に連れていきました。
アメリカのクリスマス
アメリカのクリスマスの伝統では、子供たちがサンタクロースとトナカイにも手紙を書きます。クリスマスイブの夜、子供たちはサンタクロースのためにクッキーを、トナカイのためにニンジンを置いておくこともあります。
絵本では、白馬のシルバーベルがそりをひいていました。
初期のサンタクロースの伝説では、サンタクロースの乗り物は様々で、白馬やロバ、あるいは魔法の杖などが描かれることもありました。19世紀初頭の詩に描かれたトナカイがそりをひく姿が初めて紹介され、その後デパートのクリスマス販促キャンペーンなどでこのイメージが宣伝されたことでより広まりました。そして、現在ではトナカイがクリスマスの象徴的な存在となっています。
今では当たり前となったサンタクロースとトナカイですが、こんな歴史があったのですね。フランスのクリスマスのお話にもロバが登場します。国によってクリスマスにも違いがあっておもしろいですね。
フランスのクリスマス絵本はこちらのブログで紹介しています。まりーちゃんのくりすます
絵本「まほうのよるに」について
絵本「まほうのよるに」は、NYタイムズやUSA Todayなどのベストセラーに選ばれ続け、世界で高い評価を得ているクリスマスの絵本です。イギリス、イタリア、クロアチアなどで翻訳出版され、世界中の子どもたちに広く愛されている一冊です。
作者はアメリカ人のマット・タバレスさん。2000年に絵本作家デビューし、手掛けた作品が、ペアレンツ・チョイス金賞受賞、NYタイムズのベストセラーに選出されるなど、高い評価を得ています。水彩を用いて深く鮮やかに描いた、繊細ながらドラマチックな画風が魅力的です。
本当に本当に美しい世界が絵本の中に広がっています。
原書は主人公のトナカイの名前、ダッシャーが題名となっています。インテリアとしてもプレゼントとしてもおすすめです。
8頭のトナカイ
絵本の中に出てくるトナカイたちの名前。それぞれにちゃんと意味があります。
- ダッシャー (Dasher) – 「突進する」という意味で、速く走るトナカイ。
- ダンサー (Dancer) – 「踊る」という意味から、軽やかに動くトナカイ。
- プランサー (Prancer) – 「跳ねる」という意味を持ち、元気で活発なトナカイ。
- ヴィクセン (Vixen) – 「雌キツネ」を意味し、おしゃべりで気の強いトナカイ。
- コメット (Comet) – 「彗星」の意味を持ち、幻想的なイメージのトナカイ。
- キューピッド (Cupid) – ギリシャ神話の恋の神を指し、魅力的なトナカイ。
- ドナー (Donder) – ドイツ語で「雷鳴」を意味し、俊敏で勇敢なトナカイ。
- ブリッツェン (Blitzen) – ドイツ語で「稲妻」を意味し、スピード感あふれるトナカイ。
この絵本を読むまで、サンタクロースが大切にしているトナカイに名前をつけないわけがないのに、トナカイたちに名前があることなんて考えもしませんでした。
改めて、絵本から学ぶことの多さに感動し、絵本の世界の深さに感心しました。
この絵本では8頭のトナカイですが、1939年に赤鼻のトナカイ「ルドルフ」が加わり、現在では9頭のトナカイがサンタクロースのそりを引くとされています。
フクさんの着眼点
この物語を読んで、子供は「ダッシャーすごいね」という感想を持ちました。子供なりに、この話が単なるラッキーではないと感じたのでしょう。では、ダッシャーのすごいところはどこでしょうか。
チャンスを掴んだダッシャー
ダッシャーのすごいところ、それは無意識に、でも、必然的にチャンスを掴んだということでしょう。
チャンスを掴むんだダッシャーの話
- いつでもチャンスに対応できる状態を維持していた
- ダッシャーは昼間は子供達と触れ合い、夜間は重い荷物を運ぶ仕事を毎日していました。
- チャンスを見逃さず、迅速に行動に移す
- 囲いが開いた時、ダッシャーは「今しかない」と飛び出しています。
- 親切な行動を習慣化する
- ダッシャーはサンタクロースが誰なのか知りませんでした。肩書きや利害関係も考えず、目の前の困っている人を助けたい、そんな思いで手を差し伸べています。
- 失敗を恐れず、前向きな姿勢でチャレンジする
- それまでそりをひいたことがなかったダッシャーですが、重いものをひく仕事をしてきた経験を活かし、前向きに挑戦していきます。
- 思いついたらすぐに行動を起こす
- 困っているサンタクロースに、思わず声をかけるダッシャー。あれこれ考えずに行動に移すことはチャンスを掴むきっかけになります。
- 周囲の目を気にしない
- これまでトナカイがそりをひいたことなどありませんでした。何か言われるだろうか等心配はせず、ダッシャーは自分ができそうなことを一生懸命行いました。
- 短く簡潔に伝える技術
- サンタクロースの質問に対し、ダッシャーは相手が求める情報を結論からわかりやすく伝えています。
- 継続的に行動する
- 一度きりではなく常に良い行動を取ったダッシャーの行動は家族を呼び寄せる願いを叶えることにつながります。
- 感謝と尊敬の気持ちを大切にする
- ダッシャーは、引退を決めたシルバーベル(白馬)に尋ねます。「ほんとうにいいの?」と。シルバーベルは満足そうにダッシャーとその家族がいれば安心だと答えます。シルバーベルとダッシャーの間にある互いに対する感謝と尊敬を感じるシーンです。
美しく温かい物語の中にある、力強いダッシャーの成長ストーリー。これがこの絵本に深みを感じる部分でしょう。人生の大切な価値観や教訓を再発見する、大人が読んでも非常に読み応えのある内容です。
まとめ
今日は【心も温まる美しいクリスマス絵本】をテーマに紹介しました。お気に入りの絵本に仲間入りができたらとてもうれしいです。
紹介した絵本をもう一度チェックしたい方はこちら
まほうのよるに はじめてサンタのそりをひいたトナカイのおはなし [ マット・タバレス ]
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